こんにちは、スザンヌみさき(@suzannumisaki)です。
1年くらい前から「ゴールデンカムイ」というマンガにハマってます(笑)
↑これ(1巻は期間限定で無料らしい)
開拓時代の北海道が舞台のマンガでアイヌ民族とか、ヒグマとかが登場します。
このゴールデンカムイには今の感覚では珍しい銃がたくさん登場するので、けっこう勉強になることも多いです。
例えば主人公の杉元佐一が愛用してるライフルが「三十年式歩兵銃」っていうんだけど、全く聞いたことがないライフルでした。
こち亀の影響で「三八式歩兵銃」は知ってたけど、それよりも古いライフルですよ。
エアガン好きやサバゲー好きにとっては「M4」とか「HK416」とか「AK47/74」が一般なので、知らない銃ばかり。
古い銃にはあまり興味がなかったんだけど
ゴールデンカムイの影響もあって、いろいろと調べてみました。
そんな中で、「なぜ杉元佐一は民間人なのにライフルを所持しているのか?」という疑問が多いようだったので、今回テーマにしました。
今回はその疑問に答えていきます。
結論としては、「杉元佐一が軍からライフルを購入したのではないか?」
というのが見解です。
根拠も含めて詳しく見ていきましょう
もくじ
ゴールデンカムイの時代背景(明治時代)
ゴールデンカムイを楽しむにあたって日露戦争前後の明治時代がどんなものだったのか?
なんとなくでも知っておいたほうが作品が楽しめるので
ちょっとまとめました
日露戦争は1904年2月8日から、1年後の1905年9月5日にかけて日本とロシアの間で起きた戦争です。
約1年半ちょっとの期間で8万8429名もの戦没者を出した戦争でした。
1894年〜1895年に起きた日清戦争の戦死者が合計で1万3311名なのを考えると、6.64倍もの死者を出した戦争でした。
日露戦争に勝った日本は南樺太(サハリンの南側半分)と
遼東半島を手に入れた
なのだが…
戦敗国ロシアからの賠償金を得ることができなくて、日本国内では反発運動なども起きていた。
有名なのが「日比谷焼打事件」
ようするに。
ロシアに勝ったけど、お金もないし人も死にまくったし日本国内では不満がたっぷりだったというわけ。
ゴールデンカムイの中でも日露戦争が悲惨だったことや、戦争に勝ったのに帰還兵の待遇が悪いなどなど不満を口にするキャラクターの様子が描かれてました。
杉元佐一はなぜ民間人なのに銃を所持しているのか?
ゴールデンカムイの第一巻では、明治何年なのかハッキリ書かれていません。
でも、主人公の杉元佐一が日露戦争からの帰還兵であることを考えると…
おそらく、日露戦争が終わった明治38年頃であると考えられます。
その頃の「日本の銃規制」についてウィキペディアで調べてみたところ…
1899年(明治32年)に銃砲火薬類取締法を制定した。銃砲火薬類取締法には1910年に大きな改正(明治43年法律第53号)があった。[13]。
(中略)
性能が劣っていても軍が用いているなら軍用銃砲となった。非軍用銃砲は、軍で用いるには性能が劣る銃砲で、陸軍から払い下げられて猟銃とされた旧式の銃がその典型である[14]。軍用銃砲についてはその譲り渡しと譲り受けの両方について警察官署の許可が必要だが、非軍用銃砲は許可なしに取得・譲渡できた。所持には規制がない[15]。
規制もないよってことです。
ここでポイントになるのは
「三十年式歩兵銃は軍が使わない旧式だったのか?」という部分
ウィキペディアによると、杉元佐一が使っている「三十年式歩兵銃」は日露戦争で歩兵が使っていたライフルなんだけど、日露戦争後には旧式扱いになったそうです
三八式歩兵銃は日露戦争後の日本軍(陸海軍)主力小銃として使用され、これに更新され旧式となった三十年式歩兵銃は菊花紋章の上に二重丸の刻印を押されて、旧制中学校以上では必修科目の教練(敬礼に始まる基本動作から、小隊もしくは中隊規模の集団行動まで教える科目)用に払い下げられた。
ゴールデンカムイは第一巻時点で、既に日露戦争が終わっています
なので、杉元が持っている三十年式歩兵銃は旧式になっているため、民間人が所持できたんじゃないかと考えられます。
杉元佐一は作者「野田サトル」さんの曾祖父?
ゴールデンカムイの作者「野田サトル」さんのブログでこのような記述がありました
曽祖父は一等卒として 日露戦争に出征しており、
激戦地であった旅順攻囲戦の二百三高地、その後の 奉天会戦に参加していた。
疎いひとに簡単に説明するなら、数々の映画、ドラマ、小説にもなった有名な戦いで
とにかくムッチャクチャ死んだ。(中略)
曽祖父の名前は杉本佐一だ。
右から二行目に「上等兵 杉本佐一」とある。その後、60代まで生きた曽祖父は第二次世界大戦中に自宅で亡くなった。結核だった。
ちなみにゴールデンカムイの主人公は名前を借りただけに過ぎない。
自分の曽祖父を描いてるつもりは一切無い。まったくの別人と考えている。
ゴールデンカムイの作者によると、曽祖父(ひいおじーさん)が日露戦争に出兵した経験があり、激戦になった「旅順攻防戦」で生き残ったことを主人公「杉元佐一」のキャラ設定に取り入れているみたいです。
「不死身の杉元」の由来は死ぬかと思われた任務を生き抜いた曽祖父の経験が影響しているのでは?
と、私は感じました。
杉元佐一の使用している銃一覧
ウィキペディア情報によると…
以上を主に使用しています。
ライフルの長さや銃剣の長さなど見ると、時代を感じますねぇ
三十年式歩兵銃はボルトアクション式の単発銃で、装弾数は5発。
杉元佐一はなぜ民間人なのに銃を持っているのか?まとめ
杉元佐一が持っている「三十年式歩兵銃」は日露戦争で歩兵が使っていたライフル。
しかし、日露戦争後(1905年)は旧式になり、軍が払い下げたものは民間人も所持できるようになった。
杉元佐一は軍が払い下げたものを持っているのだと思う(買ったのかな?)
明治の銃規制では、軍用銃でないものは民間人も所持することができ、規制などもなかった。
明治43年(1910年)には隠し持てるサイズの銃(拳銃、仕込み銃など)の規制はできたが、三十年式歩兵銃はライフルなので規制の対象外だったと思われる。
ちなみに、この銃規制は第2次世界大戦が終わった1945年までは特に大きく変わることはなかったようだ
おわり。
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